ハッピーバースディ,僅かな期間で地球中のすべての意識をつなげてしまった怪物。だが,その怪物が本当に生まれてたのは…。
インターネットは2日,生誕から30周年を迎えた。1969年9月2日,インターネットの父と呼ばれているUCLA教授レオナルド・クラインロック氏が,冷蔵庫ほどのルーターにコンピュータを接続し,ネットワークを形成した。これが,後のインターネットの始まり。クラインロック氏は,「コンピューター同士の通信は想定したが,人間同士のコミュニケーションは期待していなかった。電子メールが登場して,人間同士のやりとりが決定的な応用方法だと気づいた」と語っている。
もちろん,その前から,インターネットの素となる思想は幾多あった。シオドア・ネルソン氏のザナドゥ構想,そしてそれを具現化するためのテッド・ネルソン氏のハイパーテキストシステム(過去記事1,過去記事2)。インターネットは幾多の思想の上に成り立っている。だが,思想だけではない,このシステムを作り上げるには,もうひとつ,人間の本能的な意識の存在,がある。
それは,人と人が無意識で繋がろうとする,コミュニケーションの意識。電話回線が登場した時点で,人は物理的につながる手段を得たが,それを生み出したのは,「無意識のネットワーク・プロトコル」の存在。それを,よりはっきりとしたカタチとしたのがインターネットと考えたら,インターネットの生誕日は,人間の有史の始まりと同じとも云える。30年前の出来事は,ターニングポイントでしかなかったのかもしれない。
|